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『チーム・ブライアン 新たな旅』読みました [今日のつぶやき(FigureSkating)]

GPFもとっくに終わり、全日本フィギュアが始まろうかというこの時期。
羽生ファンの私は右足治癒を祈りつつも、なんだか落ち着かなく過ごしています。

GPFバンクーバーにはヘルシンキ杯&ロステレコム杯の観戦友さんが行っていたので、ライスト見ながらチャットで一緒に応援できて、なかなか楽しく観戦できました。
Jr男子のゴゴレフくん、紀平梨花ちゃん、素晴らしかった。
昌磨君あと少し!ジュンファンくん、頑張ったなあ。
梨花ちゃんは、フリーで冒頭の3Aを転倒したけれど、その後のジャンプはしっかり決めて優勝。
サルコウを転倒しても他の要素を決めて勝っていた、数年前の羽生氏のようでした。
Jr表彰台は男子以外のカテゴリはすべてロシア選手で占められていて、圧巻。


GPF終わって、フィギュア話をすることもなくなり、なんだが寂しく気が抜けていましたが、買い損ねていたこの本を一気読みしてしまったので、その感想を記しておこうと思います。

チーム・ブライアン 新たな旅

チーム・ブライアン 新たな旅

  • 作者: ブライアン・オーサー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


前作の『チーム・ブライアン 300点伝説』は買っていなかったので、重複部分は気にならず読めました。
平昌オリンピック以前の部分は、他のインタビューなどで見聞きしていたので、あまり目新しくは感じませんでしたが、2017年NHK杯での怪我からオリンピックまでのことは、初めて知る内容だったので引き込まれるように読みました。


オリンピック前は一度も通し練習でノーミスできなかったこと、それでもSP本番ではノーミスの演技をし、世界最高点に次ぐ点数を出したこと。
おそるべき集中力、ピークを本番に合わせてくる力、なによりも金メダル候補としてのプレッシャーに負けない精神力の強さです。間近で見ていたコーチの話であるからこそ、また羽生氏のすごさを感じました。


痛み止めを飲んでいたことは、FPのあとに明らかにされていましたが、実際どういう状況だったのかこの本を読んで初めてわかりました。
オリンピック前のリバビリ期間の苦しさは、足の痛みよりも精神的なものが大きかったこと。
それでも、小さい頃の自分の中にともっていた「オリンピック連覇」という夢を実際に目標として、ゆるぎなく突き進むことができたのは、自分を信じているからこそだろう。


本文177P冒頭、抜粋します。
「彼はとてもポジティブでした。実際には右足首には痛みがあり、痛み止めの薬も飲んでいました。しかしユヅルはけっして誰にも、どの選手にも、報道陣にも、何も見せませんでした。1月からの練習がいかに苦しかったかも、右足首がまだ痛んでいることも、本当はかばって練習してきたことも、まだ完璧なプログラムが滑れていないことも。ただひじょうに落ち着いていて、あれほど冷静な態度で大会に臨んだのは初めてだったように思います。」



安静期間とリハビリ期間にどう過ごすのかの計画は、コーチではなく羽生氏個人が、自分で立てて実行していた、と書かれていました。
「様々な論文を読んだ」とオリンピック後のインタビューでも答えていた通り、自分で調べて判断して実行していたのですね。
これも本当にすごいことです。


そしてタイトルが示す通り、チームメイトであり、ライバルでもあるハビエルとの関係も詳しく書かれています。
オリンピック前の時期は、さすがに二人ともピリピリしていて、コーチ達も苦労していた事。
それでも、その苦しい時期を乗り越えオリンピック公式練習の最後には、ハビエルと二人でクリケットクラブ恒例のスケーティング練習をする姿に、誇らしく嬉しく感じた事。

これを読んで、ちょっと前にオリンピック公式練習での二人のシンクロしたスケーティングの動画を目にしていたのを思い出しました。
「いつもの仲良しな二人」とだけ思って見ていた私でしたが、その裏にはそれだけではない様々な思いがあった事を知りました。


ゆづハビ最高~と思っていた時に、ちょうど流れてきたツイートがこちら。


泣けました(T_T)
坂巻さん、素敵なMADありがとうございます。


今羽生氏はリハビリの最中です。
そして、3月のさいたまワールドにはオリンピックの時のように華麗に復活するだろうと、私は期待していました。
しかし、「ケガは治ったら終わりではない」と羽生氏本人も会見で言っていたように、リハビリの辛さ、ケガを負ったジャンプに対しての恐怖心など、復帰は簡単な道のりではなく、一般人の私からは想像できない、並大抵ではない苦労があるのだと思います。


本文203P抜粋します。
「しかし今回のユヅルの演技は、信じられないような瞬間でした。どれだけ奇跡の瞬間だったか。いまでもユヅルがあの負傷で、どんな苦難を体験したのか、チーム・ブライアン以外の人は誰も知りません。足首は重傷で、本当に早く治したかったけれど、それはかないませんでした。 (中略) ユヅルとユヅルの母と私だけが、その苦しさがどれほどのものだったのか、振り返ることができました。」


中国杯での衝突からの復活、尿膜管遺残症開腹手術からの復活、リスフラン靭帯損傷からの復活、そしてNHK杯の転倒からの復活...
何度もケガから復帰して素晴らしい演技を見せて、結果も残してくれている羽生氏ですが、毎回それを当たり前のことと思ってはいけないのだと感じています。
モモ博士のこの記事も身に染みます。


まだ競技を続けてくれていることだけでも、ファンとしてはありがたいと思っています。
今期GPFに出られなかったので、来期もGPSから出てくれたらいいなと希望を持っていますが、羽生氏本人の意志を尊重するだけです。
タグ:羽生結弦
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